Tim on snow

台湾のホームスクールのゴッドファーザー

Tim Chen てぃむ ちぇん 陳怡光

台湾の実験教育のあゆみ

文:阪口久美子(現台北市・新台北市非学校型実験教育審査委員、子供二人の小学生時代にホームスクールを経験、台湾国立政治大学教育学系修士課程在学中)

かつて、台湾にも強制入学を強いる時代がありました。その法律が改正されたのが、1982年。当時は特別な理由がある学生のみホームスクールが認められていました。その後、数度の法改正を経て、1999年に教育選択の権利が正式に認められ、特別な理由がなくても教育を自由に選べるようになりました。さらにホームスクールを推進する民間の人々の熱心な活動が政府に影響を及ぼし、2014年には通称「実験教育三法律」が制定されました。これにより、個人、グループ、NPOの三種類の方法で、誰もが独自の教育(実験教育)によって義務教育及び高等学校課程修了までを修了できるようになりました(実験教育を実施するには申請が必要であり、公的機関による審査があります。卒業生には一般の学校と同様の卒業認定が与えられます)。また、学校法人も実験教育を取り入れることができ、現在は公私問わず多くの実験教育学校が存在し、独自のカリキュラムを展開し人気を得ています。政府からは実験教育を行う者や団体へ金銭的補助を与えるだけでなく、継続的な観察やアドバイスをするシステムが提供されており、実験教育の指導者や保護者に対するワークショップも盛んに行われています。こうした支援は台湾全土に広がっており、今では台北だけでなく各地に実験教育センターが設立され、各地域で実験教育を行う人々を支えています。

台湾の教育界においてホームスクーリングの名付け親としても知られる私ティム・チェンは、教育選択権利概念の提唱者として著名人である。自身も25年以上にわたり、多言語・多文化の背景を持つ子供をホームスクーリングで教育している。

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西日本新聞 2024.12.10